VtRの遊び方

VtRの世界は、多くの場合現実世界よりも陰鬱なものになります。シナリオには多くのパターンがありますが、本書の中で例として挙げられているシナリオのテーマを紹介しておきます。

・The Danse Macabre…血族は常に互いに争い、人間への影響力を奪い合っています。PCたちはその中で生き延びるために戦ったり、永遠に続く戦いから逃れようとしたりします。そのためには互いに信頼しあうことが必要ですが、はたしてそれが続くものなのでしょうか?

・見えない鎖…血族達は、自分達が人間の掟や限界から逃れた存在だと思い込んでいます。けれど、本当にそうなのでしょうか?血族の掟・他の血族との闘争・自らの中に潜む獣…新たに血族となったPCたちは未だ、多くの鎖に縛られています。この陰鬱な世界で、都市を統べる公子であっても、本当に自由であると言えるものでしょうか?

・闇の中の救済…PCたちは、失われた人間性を求めてさまよいます。おそらく彼らは、自分の得た力を良いことに使おうとするでしょう。そうした行動は、他の血族には良くても愚かな行動とみなされ、悪ければ自分の権力に対する脅威であるとみなされます。また、血族の獣性にひとたび屈してしまえば、慈悲や正義から行おうとした行動が血塗れの惨劇に変わってしまいかねません。呪われた存在が善をなすことは可能でしょうか?それとも、血族は腐敗と破壊を広げるだけの存在に過ぎないのでしょうか?

・心安らぐ家…血族の生活は孤独で恐怖に満ちています。PCたち同胞(互いに協力し合う血族の集団のことです)の繋がりさえ、本当の家族や友人の代わりになってはくれません。人間だったころの繋がりを取り戻すことは容易ではありません。周りにいる人間たちは常に飢えと狂乱の危険にさらされることになるでしょうし、他の血族たちは、PCが掟を破って血族の存在を知らせているとみなします。果たして、人間だったころのような日々は戻ってくるでしょうか?

上にあげたものはあくまで一例ですが、こうしたテーマを選択し、組み合わることで、VtRのストーリーは作られていきます。