Renegade Cabals

 ボストンは協議会への所属を拒んだCabalも存在する。彼らは神秘的な信条や犯罪社会、富といったものには興味をもたず、ひたすらに、たとえばより強い力といった個人の目標を追いかけている。ボストンは自由に秘密の取引ができる都市として知られており、そのために都市を訪れるものが後を絶たない。彼らはボストンがアーティファクトや魔術的な情報を取引するのに寛容な都市であり、目に余る不誠実な取引にはエボン・ヌースの鉄槌が下されるとということを頼りにしている。ボストンに住むメイジは、こうした事実を腹立ちと許容のない交ぜになった気持ちで見ている。こうしたCabalにはつぎのようなものがある。
   
Saint Michael's Promise:このキリスト教徒の追放者たちは、物質的には貧しいが志気は高く、戦いに長けており、彼らが「悪」とするものをボストンから排除することに熱を上げている。彼らは自分達のために「悪党」から盗んだ金を使うことさえある。こうした行為が、犯罪組織やその他の富裕な邪悪と戦うための志気をいっそう高めるのだ。最近では、彼らは犯罪やカルトと戦おうとしない不信心なメイジをも狩り出すべきだと考えている。彼らは、覚醒者が人間を汚れ仕事や"兵糧攻め"に使い、そのために金を活用していることを理解している。しかし、いまや彼らにとってはボストンの赤線地帯も戦場として安全すぎ、飽き飽きした彼らは次の戦争を捜し求めている。おそらくそう遠くないうちに、また別のメイジが彼らの標的となるだろう。
 
The SMG:MITの Special Media GroupにしてFree CounsilのCabalである彼らは、コンピューターと数学に傾倒している。彼らは宇宙をプログラムで表現できると固く信じていて、それを証明するために日夜アプリケーションを走らせている。彼らは日常的に最先端のウェアラブルコンピュータを身に付け、それを使って ラスベガスやアトランティックシティのカジノから利益を巻き上げている。しかも、彼らは過度の注意を惹くことを巧妙に避けている―今のところは。
 
The Red Word:この恐るべきCabalは都市伝説の中の存在だ。「男の右腕は殆ど失われ、ボロボロの体全体に歯型がつけられていた。その歯型は、目や耳にさえつけられていた。男は正気を失っていたが、前の週にDavy Jones(訳注:海の悪霊の意)という男と情報とマナを取引したことは覚えていた。傷ついたメイジは、the Red word、人喰いのCabalと語られるべきではない言葉について途切れ途切れに語った。"彼らが、私にその全貌を忘れさせた"と狂ったメイジは語り、"それを知ったために私は呪われたのだ"と言い残し、魔法を使って自分自身を殺した」。これが、the Red word、人喰いのオカルティストについての噂だ。この噂は矛盾だらけで、彼らの一員に合ったことがあるものも存在しない。にもかかわらず、この噂はメイジたちの恐怖を掻き立てるのだ。