堕落界と天上の力

 眠れるものたちは電気を操る術を学んだが、彼らが理解どころか認識さえしていないある種のエネルギーが少なくとも一つは存在している。レイと呼ばれる台地のエネルギーは、多くの線と交点を描いて大地の下や海底を通っている。Orderは、アトランティス人たちはこのエネルギーを捕らえ、彼らの機械を動かしたりスフィンクスやピラミッドといったものを作るために使ったと主張している。
 レイラインはしばしばHallowと繋がっている。そして、強力なHallowは複数のレイラインの交点になっていることが多い(常にそうというわけでもない)。地形を変えることで、エネルギーの方向を変えたりせき止めたるすることもできる(不注意な眠れるものによって引き起こされることも多い)。それによって、特定のHallowの力を強めたり弱めたりすることもできる。
 原質のArcanumに通じたメイジはレイラインから流れ出るエネルギー(竜脈と呼ばれることもある)の流れに干渉し、流れやすくすることもできる。レイは風水を学ぶメイジやエネルギーを欲するメイジにとって重要なものだ。そうしたメイジは頻繁に、土地の響鳴の"波"に干渉しているからだ。

Loci(単数形Locus)

Locusは精霊のエネルギー、精気―精霊の食物であり燃料―が湧き出る土地だ。こうした場所は、その場所の響鳴に引き寄せられた霊的な存在(黄昏にいようとゴーントレットの向こう側にいようと)にとっての溜まり場のようなものだ。同時に、精霊のArcanumの知識を持たない、あるいは未熟なものにとっては危険な場所でもある。より悪いことに、ワーウルフがこうした土地を縄張りとしていることが多い。もし不注意なメイジが偶然Locusに出くわし、しかも獣人に敬意を示す方法を知らなかったとしたら、そのメイジには到底喜べないようなことになるだろう。にもかかわらず、シャーマンたちは精霊を召喚したり呼び出したりするためにLocusを求めることが多い。
 
力杯/Tass

時折、天上のエネルギーが物質的な形に凝固したり結晶化したりすることがある。こうした物質は、アラビア語の「杯」から力杯と呼ばれている。力杯には特定の形があるわけではない。力杯の形は、その性質や他の未知要因に左右される。力杯はHallowの中や周辺に現れることが多い。蒸発し消え去ったHallowの名残として力杯が残ることもある。
 力杯は、魔法の谷間に生えるキノコやHallowの中に実る果実、水晶、土、聖なる泉の水といったあらゆる形を取る。どのような形であっても、その本質は同じである。固体になった力そのものであり、やりかたさえ知っていればマナとして使うことができる。
 飲み食いできる形の力杯は最も価値が高く、ただ飲み食いするだけで自分のマナにすることができる(基本的に、食べたなら一時間後、飲んだなら10分後になる)。メイジの中には、Hallowの近くや力杯の出現しやすい場所に農園を作って作物を力杯にしようとしたり、朝露や湧き水を集めて飲んだりするものもいる。成長するものはどれも同じだが、こうした力杯は強さにばらつきがある。大きくマナに溢れたものもあれば、小さかったり傷ついたりしていてエネルギーに欠けるものもある。
 摂取できる力杯はあとで使うために取っておくこともできる。そのときは果実なら干しておいたり水ならば封をしたりしておかないと、普通の食物同様に痛んでしまうことは変わりない。
 食べられない力杯から力を引き出すには原質が必要になる。原質2を持つメイジは、力杯からマナを引き出して使うことができる。自分のマナを補充するのに使っても良いし、直接引き出したマナを魔法に使ってもいい。有機物の力杯とは違い、こうした力杯は時間によって劣化することもなくいつまでも保存することができる。