世界について

アセンション
 
 メイジが地域を1人で占有しようとすることは少ない。彼らは常に、ある大きな概念に目を置いている。すなわち、宇宙における高次の"地理"である。メイジが堕落界に身をおくようになって以来、彼らは天上の世界にあこがれてきた。そして、自らを暗黒の宇宙に縛り付ける鎖から逃れるために時間を費やしてきた。
 
 堕落界は、二つの領域からなる。物質と影である。影の側は、物質界の鏡像だとも物質界の反映だとも言われている。また、その逆だと主張するものもいる。彼らは物質界こそが影界の鏡像だと主張している。また、二つの領域は互いに影響しあっていると言うものもいる。この二つの領域を隔てる壁はゴーントレットとして知られている。
 
 堕落界の"上"(この表現に本当に意味があれば、の話だが。"周囲"あるいは"外側"と表現するものもいる)には、奈落―あらゆる意味が存在しない場所、破壊された空虚が存在する。このブラックホールのような存在は、その出現から今までずっと、堕落界の全てを貪ってきた。
 
 奈落のさらに"上"("彼方"とも)が天上の世界、真の世界、存在があるべき姿で存在する場所だ。この世界は奈落に影響されることなく、下位の世界を統べる力を保っている。全ての魂の真のの故郷であり、魂を引き寄せる光であり、そして魂を生まれ変わらせるであろう場所でもある。天上の世界は永遠の世界でもある。この世界の中の五つの領域(Pathに関連した領域だ)が知られているが、もっと多くの領域が存在するだろうと推測されている。しかし、知られているのはアトランティスの王たち―堕落界に囚われた人の魂に希望と力を取り戻させた賢人たち―が作り出した建築物でもあり護符でもある五つの灯台のたつ五つの領域だけである
 
 メイジたちの中には、堕落界のさらに下方にも、天上の世界からより遠く離れた他の世界が存在すると考えるものもいる。この場所は深淵/Lower Depthと呼ばれている。そして、時折深淵に棲む生物が堕落界への道を見つけるのだといわれている。堕落界では彼らが生き残るために多くのマナが必要だ―そして、マナは覚醒者や覚醒者の求めるような場所からもっともよく取れる。
 
 こうした世界すべてによって、創造という織物、すなわち世界全体が構成されている。覚醒者の魂にとっての最終目的は、天上の世界へと昇り堕落界の魂全てを解放すること、そしてアトランティスの驕りが世界を傷つける前まで存在した宇宙全体の調和を取り戻すことである。