空間/Space

司るもの:召喚、もの探し、共感、瞬間移動、結界
 空間は、存在と存在の間の繋がり、距離という幻を操る技であり、その使い手はたった一歩で現実全てを踏み越える。空間のAecanumは旅人、先駆者、使者、そしてたとえ自分のためにであろうと、無知の覆いを払いのけ知識をもたらそうとする者たちのものだ。空間は、人間と物体の間の関係をも明らかにする、共感、感染、感情の絆、道、戸口のArcanumなのだ。
 空間に通じたメイジにとって、空間の広がりは幻にすぎない。全ての点は一つなのだ。メイジは距離の幻に導かれなくとも、常人には理解できない鋭い感覚によって旅をすることができる。同じように、自然の限界を超えて感覚の範囲を伸ばすこともできる。二区画離れた家で起こっていることを聞きつけたり、クリーヴランドから東京のレストランで起こっていることを見たりできる。他のArcanumと正しく組み合わせれば、10000マイルも離れた相手と、まるで同じテーブルで向かい合っているかのように話すことさえできる。
 空間を理解し学ぶことは困難だ。人々は無から炎を呼び出したり、心を覗いたり、子供に祝福を与えたりという魔法を受け入れることはできる。しかし、次元を操って内を外よりも広くしたり、空間の糸を使って自分だけの小さな宇宙を編み上げたりといった魔法を理解するものはごく少ない。空間は、昔話に出てくる髭だらけの魔法使いの使う魔法よりも、エッシャーラヴクラフトの想像に近いものだ。
 空間のAecanumを学ぶものは、知っていることや行ったことに満足せず、好奇心が強い傾向がある。真実を学び、そして行く手を塞ぐ障害に屈することがない。また、彼らは適応力に優れてもいる。あちこちを歩き回り、目的のために壁を乗り越え、あるいは通り抜けさえすることができる。
 
門/Portal (Space •••)
 この呪文は、術者(および門を通った者)が門のある場所から他の場所へと移動できる空間のゆがみを作り出す。メイジが前に踏み出すと彼は「消え」、次の瞬間他の場所に「現れる」。噂では、アトランティスが沈んだ際にも多くのメイジがこの呪文で安全な聖域へと逃れたという。T
 勿論、賢いメイジは不測の事態を避けるために移動の前に移動先に何があるかを調べる(たとえ慣れ親しんだ場所であってもだ)。
Practice: 編成/Weaving