Initiation at Watchtower

Mystery playsやAstral journeyの終わりには、魂は試練のために灯台へと到達する。覚醒は、「呼び声/The Call」と呼ばれることもある。灯台が彼らを呼んでいるのだ。灯台が無限の奈落を越えて魂に名を囁くと、囁かれたものは覚醒を始める…あるいは、覚醒を拒否して眠りのなかへと戻ってゆく。
 Mystery playsにおいては、灯台は現実に存在するものの姿をとることもある。超高層ビル、電話ボックス、あるいは樹木などだ。他人にはそれが灯台だとはわからないが、探求者にはそれが明らかに灯台なのだとわかる。どんな姿にせよそれは、探求者が自分に足りないものを見つけ出すための危険に満ちた城、試練の塔である。もし彼が試練に合格―覚醒を通じて忍耐と粘り強さを証明することで―すれば、灯台へと入り、多くの名が刻まれた壁を目にすることができる。そして理由も知らず、自分のために用意された空白を見つけ、そこに自分の名を書く…刻むことも、ただそう欲するだけのこともある。たとえ文盲であっても問題はない。書くというのは象徴的な意味であって、文字通りの動作ではない。それは真の名、自己の証明、天の世界で彼の占める場所なのだ。名を刻んだことと覚醒における経験によって、魂はその名を刻んだ灯台に関連する領域と繋がりを持つようになる。
 繰り返しになるが、これは単に一般的な例で、実際には覚醒はもっと様々な姿を取り得る。探求者は銀行の台帳に名前を書くかもしれない。行員は、彼が単に貸し金庫を開けに来たのだと思うかもしれないが、実際には銀行にある全てをあわせたより大きな宝を手に入れたのだ。あるいは彼は、窓の外にいる恋人に向かって、窓に自分の名前を書いてみせるかもしれない。その時彼の魂は、天の領域と婚姻を結んでいるのだ。例をあげればきりが無いが、意味することは全て同じこと―目覚めだ。
 天上で名前を刻むと、探求者は肉体に戻り、"現実の"世界で目覚める。そしてそのとき、彼はもはや眠れる者ではない。メイジなのだ。