The High Speech

力ある言葉や真の名というものは、魔法と親密に結びついている。魔法を言葉で説明することも可能だが、それはどの言語でもない―アトランティスの言葉、ハイ・スピーチだけが高位の世界の現実を語ることができる。通常の言語が我々の思考に影響を与えるように、アトランティスの後継者たちは彼らの言葉から影響をうける。そして、彼らが天の領域に属するようになり、現実を変える力を振るうようになってからは、その言葉は地上を統べる力を帯びるようになる。
 アトランティス語は、魔術師の黄金時代から伝わる言語である。眠れるものには読むことも聞くこともできない。不信が彼らの精神を閉じているために、でたらめな言葉か知らない外国語にしか思えないのだ。覚醒したものだけがそのルーンを読み取り、音節を聞き取ることができる。眠れるものの考古学者がアトランティスの石版や文書を手に入れても、彼は自分が何を手にしているのか知らぬままに、それを倉庫や美術館に置いておくだけだろう―決して訪れない研究の進展を待ちながら。
 この"死んだ"言語を完全に覚えているものは、覚醒者にさえいない。堕落以来、その多くが失われ、いまや完全にこの言葉を話すことのできるものは存在しない。ハイ・スピーチは魔術を使うのと同時に発音されなければ効果を発揮しないが、呪文は大抵一単語か一文の発音、あるいはルーンを書くことで使うことができる。この言葉には、もはや人間が覚えていない存在や概念についての単語も含まれている。アトランティスの言葉を学ぶということは、神秘科学を使って歴史を学ぶということでもある。それは誓いと拘束の言葉、悪魔や精霊を使役し、あるいは破られることのない誓約を引き出すための古代の言葉なのだ。
 アトランティスのルーンは、タリスマンやアミュレットに永続的な力を与えるためにも使われる。また、魔道書に術式を記録するのにも使用される。通常の言語は、魔法的な考えを記述するための言葉や文法を欠いているからだ。

新しいMerit:High Speech(・)
前提条件:覚醒していること
効果:貴方はアトランティスで使われたハイ・スピーチの基礎を知っている。そしてそれを、呪文の力を爆発させたりルーンで呪文の持続時間を伸ばしたりすることに使うことができる。
 もしOrderの一員としてゲームを始めたなら、コストを支払わずにこの長所を修得することができる。そうでなければ、この長所を修得するためには最初の長所や経験点を支払わなければいけない。(勿論、誰か教えてくれる人間が必要だ)
 ハイ・スピーチは覚醒者だけが話したり理解したりでき、眠れるものの精神では理解することができない。彼らには、アトランティスの言葉は無意味なたわごとに聞こえるか、あるいは無音にしか思えない。(唇は動いていても声が出ていないように見える)特別に強い意志をもった眠れるものならば、あるいは欠片だけでも捉えることができるかもしれない。しかしその場合でも、スロー再生のテープから流れる極低音の声と同じ程度にしか認識できないだろう。