Moros

破滅の道に従うNecromancer、影の住まう場所にして暗闇の王国スティギアに聳える鉛貨の灯台のもとにうまれついたもの
 破滅の道に従うメイジは、鉛貨の灯台へ至る過程でスティギアの不毛の荒野と黒い河を通り抜けている。スティギアの地に足を踏み入れるためには、代価を支払わねばならない。灯台への道には死を乗り越えて生まれ変わるために通らなければならない大きな門がいくつもある。そこで支払う代価は金額で量れるものでこそないが、人生において魂が学んだ宝物のようなものだ。もしそれが軽ければ、魂は死を乗り越えて貴金属のように昇ることができる。しかし重ければ、魂は鉛のように深く沈み、生にしがみつくのを止めるまで影の住処に止め置かれる。
 アビスを渡ってスティギアへと旅したメイジは、死と、鈍く重いありとあらゆる形態の物質に関する魔法に長けている。なぜならば、スティギアは殻の国だからだ。生にしがみつく虚ろな自我の軽い殻…あるいは世俗の物欲の詰まった重い殻の。存在するものはすべて、領域の影響力に深く沈み込んでいる。霊は既に立ち去った世界や物質的な宝に未練を残し、そのために真実から目を逸らすことになっている。そしてわだかまる暗闇は、光さえ飲み込んでしまう。
 Moros,Necromancerたちは、陰気で物静かだと見られている。確かにそのとおりではあるが、このイメージは大半が、他のメイジたちが彼らが死に近づくことを好んでいると誤解していることから来ている。彼らが陰気に見えるとしたらそれは、誰もが最後に旅する地…影の国に赴き、通り抜け、錬金術的な変化を経験する間に、他の者達を待ち受けるだろう破滅をあまりに多く見てきたからなのだ。