Sample Legacy: Orphans of Proteus

 彼らは、そもそもの始まり、アトランティスの呼び声のさらに前から我々とともにあった。類人猿が二足歩行を覚え、石を積み上げて住居を作るよりもさらに前。彼らは、訪れては去っていく群を追ううちに、最初に草原に興味を覚えたものたちだった。彼らは群の踊りと群の歌を覚えたとき、群の皮を被り、その一部となるときまで冷たい雨の中で眠ることを選択した。彼らは、狼がまだ見ぬ獲物を駆り立てるために走り出したとき、最初に狼と共に走り狼の正直さを学んだものたちだった。そしてまた、彼らは偉大なる猫の跡をつけ、他のハンターを押しのけて一番いい部分を奪う様を見て欺きと幻想の価値を学んだものたちだった。彼らは鳥と共に飛び、蔓とともにはいずり、石と共に眠った。
 全ての原初の言語はかつて彼らによって名づけられていたが、そのほとんどが忘れ去られている。現代の英語では、彼らはその変身能力からOrphans of Proteusと呼ばれている。アトランティス人ではなく彼らこそが最初に魔法に目覚めた人間であり、あらゆる魔法は彼らから生み出されたと言うものもいる。その真偽はともかく、彼らは死に絶えつつあると考えられている。文明の侵略が進んだために、彼らはいまやメイジ社会の外辺でしか見かけられなくなってしまった。彼らは決まった形式の礼儀といったものをほとんど持たず、その精神的な親族関係は深く魂に染み付き、語られはしなくとも強く感じられるものだ。
 ProteusのLegacyは、他のメイジだけでなく魔法を知らないものにとってもぎょっとさせられるものだ。社会の習慣としきたりは―少なくとも、現代の文明世界のものは―彼らにとってほとんど意味をなさない。彼らは頻繁に法を破り、境界を侵犯し、ドレスコードやテーブルマナーを何の気なしに無視する。これは、彼らが馬鹿で乱暴者だということではない。彼らは他の魔術師と同じように知性や思いやりを示す。彼らは無作法で粗野に見られるほど率直に話し、彼らにしか分からない本能に従って衝動的に行動する。彼らは、非人間的な世界を直接経験している。"爪と牙が朱に染まる"とか"緑の導火線を通って花を駆り立てる力"といった表現は単に詩的なものではなく、現実の根幹をなすものなのだ。

元Path: スリサス

ニックネーム: Shifters

背景: Orphanは、当然ながら文明から離れた場所、田舎や荒野、未開発の自然が残る場所に由来している。こういった場所は年々衰退し消えていっているが、ProteusのLegacyを受け継ぐものは都市や郊外にも存在する。彼らは家畜や栽培植物、あるいは人工物の姿を取る。こうした都市のOrphanは、元々Orphanの力を知っていて尊敬していた部族文化の末裔なのかもしれないし、近代文明を否定して、より安全で、健全で、人間的だったと彼らが考えている生き方を再構成し、取り戻そうと考えていたのかもしれない。

組織:Orphanは全員がスリサス―原初の灯台で目覚めたものたちだ。彼らはどのOrderでもありうるが、みな伝統的な政治思想や覚醒者の社会の計画といったものに興味を持たない傾向があり、このLegacyを学び終えて自然の中へと戻りたいと考えている。

最初の能力:蛇皮/Snake Skin

前提条件: Gnosis 3, Life 2 (primary), Mind 1, Animal Ken 2 or Survival 2
 メイジは、傷ついた皮膚を破壊して新たに再生させることで傷を癒す能力を得る。即時行動を消費し、体力+運動+Lifeで判定を行う。1成功ごとに1点分の打撃ダメージか致死ダメージが治る。意志力1点を消費すれば、ターンに1回だけ反射行動で行うことができる。
 使用者は動物と、しぐさ、唸り声、マーキングなどの動物の言語を使って話すことができる。簡単な内容ならば即時行動で外見+動物知識の判定を行うことで意思の疎通ができる。伝えることができるのは、相手の動物が理解できるレベルの内容までである。