時間/Time

司るもの:占術、予言、一時的な加減速
 時間はいまだ人類に理解されていない現象を扱う、おそらくはもっとも複雑なArcanumだ。それに加え、時間によって物事の起こる順番に干渉し、もっとも困難な技ではあるが、時間の流れの中でそれぞれの存在がどのような役割を果たすかの謎を解き明かすことができる。そしてそれによって、メイジは他のArcanumの新たな扱い方をも見出すことができる。非常に強大なメイジであれば、宇宙を絶対的な存在としてではなく、時間の中で正しく動きつづける要素の集合として見とおすことさえできる。
時間のArcanumを扱うものは、先人から得た教訓に注意するようにと言われている。時間のArcanumに精通した少数の最上位のメイジたち(結局その中の少数は、時間に関する深い理解を欠いているの故に有能なのだが)は皆、ある一つの公理を心得ている。それはつまり、時間のうちに止められたものなど存在しないということだ。過去に起こったことは未来、あるいは現在起こっていることよりも変えづらい(過去を変え得るのは魔法だけだ)。しかし、本当永遠に残る物事などなにもないのだ。
 時間のArcanumに身を捧げたメイジたちは内省的で思慮深い。彼らは行動の結果について注意深く思考をめぐらせる。彼らは過去の失敗や成功と同時に、どうやって物事が展開していくのかを見るために未来にも目を向ける。そして最終的に、こうしたメイジたちは完璧な予想をせずに起こした行動がどのような被害をもたらすかを早々に学ぶことになる。そして、行動の結果歴史が自分達にどのよううな制裁を加えるかを理解できるようになる。こうした重い負担を抱えたことによって、時間の謎を解き明かそうとするものたちは時間を敬意を持って扱い、崇高な意図があろうとなかろうと天の計画というものに崇敬の念を抱くようになる。だがそれも、なんら驚くべきことではないだろう。

未来への遺産/Future Legacy (Time •••••)

 メイジは、物品1個を未来へと送ることができる。それによって、敵の手に渡らないようにしたりしかるべき者がそれを受け継ぐことを確実にできたりする。物品は未来のある点で、元と正確に同じ場所に現れる。その場所がふさがっていたときに別の場所に移動するようにするためにはSpace2が必要となる。 .

 この呪文の難点は、一度呪文を掛けたが最後、それが未来に現れるまで物品を取り戻すことができないということだ。噂では、時間に通じた大魔術士には未来に干渉して未来へと送られた物品を取り戻すことのできるものもいるとのことだ。
Practice: 創造/Making