Thyrsus

恍惚の道に従うshaman,トーテムの王国にして獣の住処、原野の領域に聳える石書の灯台のもとに生まれついたもの
 恍惚の道に従うメイジは、原野の領域を通り抜け石書の灯台へと自ら道を切り開くものたちだ。原野の領域では文明はいまだ夢に見られたことさえなく、訪れた人間はどの場所でもその壮大さと恐ろしさに圧倒される。この場所は、全ての存在の生まれた場所であり、全ての存在が精神や肉体の恍惚に我を忘れる場所であり、全ての存在が生を謳歌する場所であると言われている。中には、全てのワインは原野の領域に祝福されていて、泥酔することは原野の湿った腕に抱かれることだと主張するものもいる。
 この道に従うメイジは、生きるものと精霊とに等しく働きかけることができる。ドラムのように鳴り響く心臓と肺、血管を奔走する血、うずく神経、塩辛い汗―これらは全て、原野の領域のつかさどる欲望のもっとも基本的なものである。実体だけでなく幽体に関しても、それは同じことだ。獣の本能も精霊も、原始の密林の中では同じようなものなのだ。
 Thyrsus,Shamanたちは生きている瞬間それぞれと、極限のスリルをこそ賞賛する。彼らは決して孤独ではない。隣には常に何かが存在している―それはつまり、いつでも新しいダンスを始めるためのパートナーが存在しているということだ。他のメイジからは文明とはほど遠い田舎者と見られることはあるが、彼らはヒッピーではない。恍惚の道は、苦痛の道でもある。苦痛の中もまた、生命が存在しているからだ。彼らThyrsusは、不可視の世界に関わる事では真っ先に求められる者たちである。