ゴーストシナリオ作成理論・試作編

 適当に考えたことを書いてみる。ただし自分用
・テーマ
 幽霊が絡む話の場合、テーマは大きく二つに分けられる。つまり、幽霊を撃退するのか、静めるのか、ということである。このテーマは調査パートで明らかにされ、PCの行動方針が決定する。注意すべきことは、どちらの方向に進めばいいのかが明らかになるまで、プレイヤーは自分達で作戦を立てられない(控えめにいって立てづらい)ということである。
 従って、事件の背景が(不完全にでも)明らかになるまでは、STがきちんと筋道を立てて情報を提供していくべきである。核心にさえ近づけないシナリオを楽しめる人間はそう居ないだろう。

・オープニング
 オープニングを三種類に分ける。1:怪異が自分達に降りかかる 2:怪異が知人に降りかかる 3:ちょっとした、全く不思議でない事件が起こる の三種である。
 
1の場合:
 PC達は、何か無思慮なことをしたか、あるいは全くの不運から怪異に見舞われる。そして、それを解決するために調査を開始する。「何か」をしたのはPC全体であるか、少なくとも全てのPCが発端に対して何かしら接点を持つことが望ましい。例えば、幽霊と血縁であるとか、幽霊の恨みの原因と知り合いであるとか。

  • 祠を壊したために、そこを縁(Anchor)にしていた幽霊に祟られる。 解決法:その幽霊が他により所にしているものを壊すか、幽霊を撃退するか、祠を修理する
  • 廃屋へ侵入したために、そこに住んでいた幽霊を怒らせてしまう。 解決法:持ち出したものを返す 謝罪する
  • たまたま殺人現場を見てしまい、殺された人間に取り付かれる 解決法:事件を解決するetc

これらの解決法は、幽霊の絡む話の中に頻出するものである。ゲームで幽霊を取り扱う場合、安易な手段は、せいぜい死までの時間を引き延ばす役にしか立たないことにしたほうが良い。
 PC達は、大抵の被害者よりも有能であり、幽霊に関する情報を一つ残らず調べ、対策し、解決することができるのだ。
 
2の場合:1の場合と基本的に同じだが、何かをしたのは知人である。知人は個人でなくグループである場合もあり、この場合は複数のPCに関係させやすい。あるいは、1と2の組み合わせで発端を作ることもできる。
 
3の場合:一見普通に見える事件から開始する。しかし、調査の段階で、その事件が尋常なものでなく、幽霊が関わっていることが分かる。この情報は、早い段階で提供されるべきである。

  • 例:
  • 病気で入院するが、それは幽霊の祟りだった
  • 身の回りで不幸が続いている。占い師に、それは幽霊の仕業であると言われ…

 このパターンの場合、導入から幽霊の情報を出し、幽霊について情報を仕入れるだけでも十分なボリュームとなる可能性がある。そのため、解決策は単純なものでも構わないと思われる。

 最初のシナリオには、1をお勧めする。それも、全員が同時に一つの災難に見舞われる形がやりやすい。というのも、NWoD世界のキャラクターには「幽霊を信じていないキャラクター」が多いと考えられ、彼らが幽霊の絡む事件にすんなりと入っていけるように、初期から異常な事態を認識できるようにしたいからである。最初に危機を意識させておけば、それを解決することに真剣になるだろうし、幽霊を信じる気にもなるだろう。

・調査
 重要なこと:幽霊がこの世に残る動機をはっきりさせること。 また、幽霊を撃退/説得/沈静化するための条件をはっきりさせる。
 調査には二つある。霊感的なものと人間社会の中で行う物である。

  • 霊的調査:
  • 幽霊の話を聞く…危険だが実入りが大きい。おそらくは初期に行われ、重要な情報を提供する。社会的能力値と、社会技能全般を活用。
  • 土地の霊的なことを調べる…幽霊の多い場所である、幽霊が集まりやすいetc。資料集めの基礎。オカルト(Occult)技能などが使われる。
  • 幽霊の様子を探る…特定の場所・人物に近づくと反応するetc。ヒントとして使われる

 

  • 肉体的調査:
  • 聞き込みをする…より本格的な調査への導入となる。依頼者や周辺人物への聞き込みはかなり早い段階で行われると予想されるため、、早めに出すべき情報はこの部分で与えられることが多い。魅力の社会的能力値・社会系技能が使われる。導師(Mentor)、情報源(Contats)、地位(Status)などを使って、より重要な情報を得ることもできる。
  • 資料を漁る…聞き込みなどで得た情報を補強する。例えば、その家が誰かに恨みを買ったことがないかどうか新聞記事を調べるとか。調査(Investigation)、教養(Academic)、コンピューター(Computer)、場合によっては医学(Medicine)、オカルト(Occult)、政治(Politics)、科学(Science)などを使う。
  • 家屋などに侵入する-大きな進展が望めることもあるが、何も手に入らないこともある。技能としては、手業(Larceny)、隠密(Stelth)、生存(Survival)、運動(Athletics)などが使われる。

 こういった手順の中に、障害として戦闘が組み込まれることもある。特に、強引な捜査が厄介ごとを引き起こすことは多いだろう。
 
霊的な調査を担当するキャラクターは、おそらく1人で十分。あとは肉体系キャラクターで、交渉担当と雑用(侵入や戦闘。暇にならないように仲間などを取っておく)が居れば十分そう。
・クライマックス
 対決して打ち負かす、対決して敗北、説得などの平和的手段などが考えられる。敗北エンドは、PC完全敗北というよりは、「勝ったけれども違和感を残すエンディング」的演出の方がよさそう。それも、何かしら失敗があった場合のみにとどめるべきではないでしょうか。
 平和的手段の場合も、最後の盛り上がりのために何らかの妨害があったら良さそう。圧力を掛けられるとか、誰か解決を望まない人間が襲ってくるとか。
 どちらにしても、全ての謎がここまでで明かされるように組んでおいたほうがすっきりするはず。

・エンディング
 バッドエンドがやりたい場合、「まだ呪いは続いていた…」的演出で締め、とりあえずは生き延びた形にするといいかも。ペナルティは適当なフローを与える程度にとどめるべきだろう。
 
・やるべきこと
 幽霊の実在、あるいは少なくとも脅威の存在を「PCに」明確に認識させるイベントを起こすこと。最初のセッションなら完璧必須。
 
・やったほうがいいこと
 迫ってくる危機を演出すること。
 いずれ自分に(あるいは知人に)やってくる悲惨な未来を予感させること
 
・やらないほうがいいこと
 安易に殺すこと。PCは勿論NPCでも。あんまり多用すると麻痺するのではないだろうか。
 伏線を隠すこと。最低でも、事件の背景は明らかにすると良いみたい。当然か。
 
・やるべきでないこと
 PCを殺すこと。
 バッドエンド確定のシナリオ

・PCの役割

  • 肉体的な情報収集/作業/戦闘をするもの
  • 霊的な情報収集/作業/戦闘をするもの

書き途中。